「ねえ。夜会で何が起こるかは、私にはまだ、言えないのね……?」

 気になるは気になるけれど、なんでも顔に出てしまう私がそれを台無しにしてしまう可能性も高く、ジュストがしている心配はもっともだと思う。

 ……けれど、知りたいという気持ちはどうしても隠せない。

「申し訳ありません……僕はむしろ、お嬢様のそういう素直で可愛らしいところを愛してやまないんですけど、明日の夜の話だけは譲れません。これは別にお嬢様だけではなく、僕以外は全体は知らないことなんです。先程も言った通り、一世一代の賭けに出ておりますので」

「そうね……明日さえ乗り切れば、私たちは一緒になれるのね?」

「ええ。その予定ではありますが……もし、これが上手くいかなくても、また次の手を考えますよ。僕はお嬢様を諦めるつもりは、まったくありませんし……」

 ジュストはそう淡々と言うと、不敵に笑って私を見た。

「あの、ジュストって……もし……もしもの話なんだけど、これもあれも上手く行かない。私とはもう結婚出来ないってなって……会わないように引き離されてしまったら、どうするつもり?」