「いえいえ。ミシェル。それは、人聞きが悪いですよ。こちらは返り討ちと申しまして、僕たちに攻撃を仕掛けなければ何もされなかったはずなのに、という悲しき報復です」

 ジュストは清々しい爽やかな笑顔でそう言い、私はやっぱりすべてを知っていて、これをした彼のことが少しだけ怖くなり抱きしめられていたはずなのに少しだけ後退ってしまった。

「ミシェル、どうしました?」

「もしかして……私はとんでもない人を、好きになってしまったのではないかと思ったの」

「え……今、気が付きました?」

 にこにこと微笑んだジュストは、さりげなく私の身体を引き寄せた。