「ジュスト。いつも私を守ってくれて、ありがとう」

「いいえ。それは僕の仕事であり、自分で決めた人生の使命でもありましたから。僕のお嬢様」

 ジュストは悪戯っぽく微笑んで、私に片目を瞑った。

 私はずっと前から、ジュストのことが好き。魅力的な男性であることに踏まえて、いつも私を守り、尊重してくれていたから。

 だから、すごく彼が好きなの。

「ねえ。ジュスト。私、ようやく思い出したの。ずっと、これまで、なかったふり見ないふりをしていたこと」

「見ないふりとは?」

 ジュストは不思議そうだ。彼には私の気持ちはわからない。いいえ……私の気持ちは、誰にもわからない。

 こうして、ちゃんと言葉にして伝えない限りは。

「実はオレリーが私の前で良い子の振りをするようになったのは、ジュストが来てからなのよ。あの子は貴方の前では、自分勝手な真似が出来ないと警戒していたのね。何か我が侭を言えば、強く言って聞かせるのは貴方だけだったもの……だから、ずっと私の傍にジュストが居れば、あの子は可愛い妹のままで居るしかなかったの」

「そうでした……? それは、知りませんでした」