「……オレリー様の気持ちは良くわかりませんけど、僕は正直に言うと気分が悪いです。姉のミシェルが持つものをすべて奪いたいから、僕と結婚したいと……? うわ。気持ち悪いですね。本当に無理です」

 ジュストは不味いものを食べたかのような、嫌な表情をしていた。それも、仕方ないと思う。オレリーが彼を欲しがるのは、恋情でもなんでもなくて、ただの所有欲なのだ。

 私だって誰かに物のように欲しがられれば、そういう気持ちになってしまうはず。

「わからないわ……これは、私が予想しているだけで、本人はそれは違うと言うかもしれない。けれど、オレリーと二人で一度話してみるわ……ねえ。ジュスト。ひとつだけ教えて欲しいの。これは、大事なことなのよ」

「何でしょうか?」

 ジュストにしか知らないことを確認して、私は妹オレリーと直接話すことにした。