「……僕はミシェルが居れば、それで良いんです。親も主人も、貴女を手に入れる手段に使いました。正直怖いです。これまで十年ほど願って来たことが、今叶うんです。ミシェル……怖いです。自分が貴女を手に入れたらどうなってしまうのか」

 ジュストにいつもの威勢の良さなどはなく、長年想い続けて来た私を手に入れる幸せが怖いと言いたいみたい。

 私は筋肉質な感触のお腹の上に座りながら、いつも揶揄っては虐めている彼が、項垂れて元気ないという事態を目の前にして、なんだか楽しくなって来てしまった。

「もう……それで、こんな時になったというのに、私に手が出せないというのね……?」

 私は彼のガウンの紐を解き、割れたお腹に手を置いた。

「……ミシェル?」

「それならば、私がしてあげるから、何もしないで欲しいの。閨教育はちゃんと受けているんだから」

 私の言葉を聞きみるみる顔を赤くしたジュストは、流石にこの展開は計算出来ていなかったんだと思う。