「僕とミシェルは、幼い頃より婚約者です。貴族の結婚には政略的な意味合いが強いとは言え、僕たちはお互いに気持ちを深めながら過ごして来ました……確かに、僕には一度彼女の気持ちを傷付けたことがあるのは認めます。妹と婚約者を交換出来ないか、彼女の父に打診したことがありました。ですが、あれは一時の気の迷いでした。同じ姉妹とは言え、失礼なことをしたと反省し、それを彼女自身にも詫びています」

 ラザール様は自分の過ちを先んじて認め、私にも謝罪したと認めた。

 そうよね。これは話題にならざるを得ないしジュストの口からこれが明かされるくらいなら、自分の口から説明した方が良いのかもしれない。

「だとすると、ラザールはそちらのサラクラン伯爵令嬢と、不和があったことを認めた上でやり直し結婚したいと望んでいるんだな?」

 国王陛下も一度は過ちを犯すくらいはあるだろうと思ってか、再度確認し、頷いたラザール様を見て何か考え込んでいる様子だった。

 やり直したいと思っているなら、その程度の気の迷い許してやれば良いのにと思っていそう……。