こういった華やかな夜会では、隅の方に立食用のデザートや飲み物が用意されていて、ジュストはそちらへ私の飲み物を取りに行こうかと聞いてくれた。

「いいえ……ジュスト。私は今夜何が起こるのか、気になってしまって昨夜眠れなかったんだけど?」

 理由を話してくれれば睡眠不足になることもなく、昨日会った時にジュストが言ってくれなかったせいで眠れなかったと訴えた。

「それは、それは……申し訳ありません。ですが、喜ばしいことに、僕の思うように、すべて事が運びました。さあ……ミシェルお嬢様。こちらへ」

 ふうと溜め息をついた私はジュストに促されるままに歩き、行き先にあるものを見て少し慌てた。

「……待って。待って……これって、もしかして、王族がいらっしゃる方向ではない?」

 ジュストが私を連れて迷いなく歩く方向には、短い階段の上に置かれた王座。そして、そちらへ座っていらっしゃるのは、国王陛下と王妃様。

 そして、信じられないことに目をきらきらとさせた王妃様が、向かってくる私たち二人を待ち構えているような気がするんだけど?

「え。これから……どうするの?」