赤子を抱いたまま固まっているフィナを見て、ジュリアはなんと声をかければよいかわからなかった。
なにしろたくさんの赤子をこの世に導いてきたジュリアですら【ミランジェ】を見ることだって、初めてだったのだから。
このままでは良くないと、おそるおそるフィナに声をかける。
「フィ、フィナ、、、、、。」
まだフィナは固まったままだった。仕方のないことかもしれないと、ジュリアは思った。
先祖たちがたくさんの戦いをし、勝ち上がり、無駄に思えるほどの領土と海を支配し続けているこの王国では、ミランジェと呼ばれる者だけでなくミランジェを産んでしまった母親にも責任があるといわれ、迫害を受けることはそこまで珍しくもなかったのだ。
すると突然フィナが顔を上げた。フィナにはジュリアの予想をぶち壊すほどの笑顔が宿っていた。
もともと明るい性格のフィナだったが、こんなにも可愛らしく快活な笑顔はジュリアに驚きと戸惑いをもたらした。
「なんて可愛い子なの!!!???綺麗な瞳!桜色のほっぺ!産まれてきてくれて本当にありがとう!私の可愛い子!」
産後とは思えないほど元気な様子にジュリアは驚きすぎで倒れそうになり、ベッドの枠に捕まる。
「え、、、、?ふぃ、フィナって産後よね?さっきまで息、切らしてたわよね、、、、?嘘、、、、、、、」
そんなジュリアとは反対に「どうしたの?ジュリアおばさん。体調でも悪いの?さっき赤子の顔を見て、驚いていたようだけど、、。」
ひまわりのような笑顔を浮かべ満面の笑みでこちらを見つめるフィナが自分の子に抱いている感情はマイナスなんかじゃなく、むしろ、いや、真逆すぎるほどプラスだった。
「あなた、、、男の子なのね!貴方の名前は、、、サルシャ!サルシャ・リボルトよ!どう?気に入った?」
フィナの問いに答えるように赤子はキャッキャと嬉しそうに笑う。その笑顔はフィナそっくりだった。
ジュリアはそんな様子のフィナとサルシャを見て、自然と笑みがこぼれた。
「そういえば、ジュリアおばさん、さっきミラなんとかって言ってたけど、なあにそれ。」
ジュリアはその言葉を聞いてハッとした。そうか、フィナはミランジェを知らないんだ、、、、!
だから、あんな反応を、、、、。
ジュリアがフィナに与えるダメージを最小限にするために、優しくミランジェについて説明しようとする。
「あのね、フィナ、ミランジェっていうのは、、、、」
ジュリアの説明をさえぎるようにフィナが言葉を発する。
「ううん、ミランジェっていう言葉も意味も知ってるの、私。」
フィナの言葉にジュリアは戸惑う。「じゃ、じゃあ、さっきのはどういう意味なんだい?」
ジュリアの質問にフィナは不思議そうに答える。
「自分の子がミランジェだからって何があるの?ミランジェだと自分の子が産まれても喜べない?そんなわけ微塵もないわ。だってサルシャは私の子なのよ?たとえ少し他と変わっていても、そんなのカンケーないわ。私は誰になにを言われたって、サルシャの母親であることも、サルシャを産んだことも恥ずかしくなんかないわ。だって、私、愛してるもの、サルシャを」
フィナの日向色の瞳には、光が宿っていた。その光はサルシャも引き継いでいく事となる。
「ああそうだ、まだお祝いの言葉を言っていなかったね、、、、、。おめでとう、フィナ、サルシャ。あんた達はとっても綺麗だ。」
寝息を立て始めたサルシャを抱いているフィナは本当に綺麗で、まるで道端の一角を輝かせる、たんぽぽのようだった。
なにしろたくさんの赤子をこの世に導いてきたジュリアですら【ミランジェ】を見ることだって、初めてだったのだから。
このままでは良くないと、おそるおそるフィナに声をかける。
「フィ、フィナ、、、、、。」
まだフィナは固まったままだった。仕方のないことかもしれないと、ジュリアは思った。
先祖たちがたくさんの戦いをし、勝ち上がり、無駄に思えるほどの領土と海を支配し続けているこの王国では、ミランジェと呼ばれる者だけでなくミランジェを産んでしまった母親にも責任があるといわれ、迫害を受けることはそこまで珍しくもなかったのだ。
すると突然フィナが顔を上げた。フィナにはジュリアの予想をぶち壊すほどの笑顔が宿っていた。
もともと明るい性格のフィナだったが、こんなにも可愛らしく快活な笑顔はジュリアに驚きと戸惑いをもたらした。
「なんて可愛い子なの!!!???綺麗な瞳!桜色のほっぺ!産まれてきてくれて本当にありがとう!私の可愛い子!」
産後とは思えないほど元気な様子にジュリアは驚きすぎで倒れそうになり、ベッドの枠に捕まる。
「え、、、、?ふぃ、フィナって産後よね?さっきまで息、切らしてたわよね、、、、?嘘、、、、、、、」
そんなジュリアとは反対に「どうしたの?ジュリアおばさん。体調でも悪いの?さっき赤子の顔を見て、驚いていたようだけど、、。」
ひまわりのような笑顔を浮かべ満面の笑みでこちらを見つめるフィナが自分の子に抱いている感情はマイナスなんかじゃなく、むしろ、いや、真逆すぎるほどプラスだった。
「あなた、、、男の子なのね!貴方の名前は、、、サルシャ!サルシャ・リボルトよ!どう?気に入った?」
フィナの問いに答えるように赤子はキャッキャと嬉しそうに笑う。その笑顔はフィナそっくりだった。
ジュリアはそんな様子のフィナとサルシャを見て、自然と笑みがこぼれた。
「そういえば、ジュリアおばさん、さっきミラなんとかって言ってたけど、なあにそれ。」
ジュリアはその言葉を聞いてハッとした。そうか、フィナはミランジェを知らないんだ、、、、!
だから、あんな反応を、、、、。
ジュリアがフィナに与えるダメージを最小限にするために、優しくミランジェについて説明しようとする。
「あのね、フィナ、ミランジェっていうのは、、、、」
ジュリアの説明をさえぎるようにフィナが言葉を発する。
「ううん、ミランジェっていう言葉も意味も知ってるの、私。」
フィナの言葉にジュリアは戸惑う。「じゃ、じゃあ、さっきのはどういう意味なんだい?」
ジュリアの質問にフィナは不思議そうに答える。
「自分の子がミランジェだからって何があるの?ミランジェだと自分の子が産まれても喜べない?そんなわけ微塵もないわ。だってサルシャは私の子なのよ?たとえ少し他と変わっていても、そんなのカンケーないわ。私は誰になにを言われたって、サルシャの母親であることも、サルシャを産んだことも恥ずかしくなんかないわ。だって、私、愛してるもの、サルシャを」
フィナの日向色の瞳には、光が宿っていた。その光はサルシャも引き継いでいく事となる。
「ああそうだ、まだお祝いの言葉を言っていなかったね、、、、、。おめでとう、フィナ、サルシャ。あんた達はとっても綺麗だ。」
寝息を立て始めたサルシャを抱いているフィナは本当に綺麗で、まるで道端の一角を輝かせる、たんぽぽのようだった。