ミランジェとは
二つの異なった瞳の色を持つもので、生まれる確率は極めて少ないといわれている。この者たちが普通の市民たちに迫害を受けるのが日常となっており、他の人種に比べて10歳まで生きられる確率はミランジェのうちの１パーセント未満といわれている。

おぎゃあおぎゃあ、、、
王国の郊外にある農村の小さな病院で産声が上がった。
赤子の顔を見た産婆は体が凍り付いた。
子の母である村娘のフィナは息が上がりながらも、その様子に気づいたようだった。
かすれた声で、「あ、の、赤ちゃんを、、、、見せてくれませんか、、。私の初めての子供なんです、、、。」
産婆がフィナの方を見てがくがくと震えだす。フィナは産婆であるジュリアとは古くからの知り合いで、家族のような付き合いだったが、今までこんな青ざめた顔を見たことはなかった。
そんな普通ではないジュリアの様子にフィナは嫌な予感がした。
「ジュリアおばさん、、、？」
ジュリアは震えたままフィナに赤子を差し出す。
「フィ、フィナ、その子は、、、その子は、、、もしかしてだが、いや、きっと【ミランジェ】だよ、、、、。」
ジュリアの声とフィナが赤子が男の子で、そしてミランジェだということをうつろながらにも認識したのは同じときで国の12時をつげるメロディーが流れているころだった。
これが革命家の一人、サルシャ・リボルトがこの世に生まれたのであった。