歩ちゃんは溜息をついてわたしから距離をとってしゃがみ込んだ。


視線は真っ直ぐ前を見ていた。






「…歩ちゃん?」


「どうせ戻る気ないんだろうから」


「だから?」


「この時間は見逃してやろうと思って」


「それでなんで歩ちゃんまでここにいるの?」


「次の時間の練習には連れていく」






今ここを離れたら次の時間もサボりかねないって思われてるみたい。


…正解なんだけどね。


誰も来なかったらお昼の時間までここにいようと思ってたのにー。


……でもいいや、歩ちゃんに会えたし。


歩ちゃんが探しに来てくれたから次の時間からは真面目に出ようかな。