「あの日は君が昼食から戻ってくるなりこの世の終わりみたいな顔をしていたから思わず誘ったんだ。何か悩みでも抱えているのかと心配で」

心配?
私のことを気にかけてくれていたの?

「君たちのような人は面白いよな。創作の世界のことに夢中になって」
「気持ち悪いと思っていませんか?」
「いや。すごく羨ましいと思うよ。何かにそこまで夢中になれるのはいいことだろ。二次元だろうが三次元だろうが、生きる喜びを持つことは素晴らしいことだ」
「……ありがとうございます」

そんなふうに言われるなんて思ってもみなかった。

もしかして、社長って案外いい人……?

ぐうぅ。

「あれ?」

気が緩んだらお腹が鳴ってしまった。
オードブルを食べたらむしろ胃が活発になってしまったらしい。