再会

金村浩一。ソフトバンクホークスに入団して11年目の30歳である。福岡市にある公立の工業高校を3人は卒業していた。俊平、努からすれば後輩である。平成16年の夏の全国高校野球大会に出場してベスト8まで勝ち進み。投手だった金村はプロ野球にスカウトされ入団した。この高校で3人は出会い高校の寮で3年間同じ釜の飯を食べた。金村浩一は敷かれたレールに乗り夢と言う行き先の列車に乗り終点に辿り着いたが先輩である2人は現在ではフリーターだ。高校を卒業して2人は県外に就職した。そして同じ会社である。愛知県にある自動車工場。野球をやっていた勉は社会人野球。俊平はボクシングからは足を洗った。
松田なつみは北九州にある私立の女子高校を卒業後福岡女子大に進学して、福岡県民放送局に入社して五年目である。なつみはバレー部に所属。セッターで県大会の準決勝まで勝ち進んだ。
桜ヶ丘工業高校に進学した2人に待っていたのは新入生指導と言う伝統の行事であった。上級生が新入生を指導するという立場が逆転した。中学時代は柔道部に所属して初段の俊平はとにかく身体を鍛えるのが好きで腕っ節が強かった。上級生が近づいてきた。俊平の前に立ち。校歌を歌えと命令され素直に受け入れて大声で叫んでいる状態で腹の腹筋に上級生の腕が突き刺さった。次の瞬間俊平の前に倒れた3年生が横たわっていた。この先輩はボクシング部のキャプテン。立ち上がった先輩。村田祐一の口から発せられた言葉は意外だった。
「俺の部。ボクシング部に来い」
なつみは2人にすぐ気が付いた。相席となったなつみと俊平。なつみは心が躍っていた。プロ野球選手じゃない、非正規労働者の俊平だ。相変わらずの様子に落胆どころか、反対に彼に魅力を感じる。元来母性本能が強い。俊平は、ムラムラと感情が湧き上がってくる。その時、ビールの入ったコップをなつみが落とした。すかさず。俊平はハンカチを差し出す。なつみはあの時の行動を思い出した。ふたりは笑った。そして、酔った勢いで、なつみを明日、誘ってみた。周りには誰もいない。なつみは返事をした。なつみの脳裏の奥の底には、俊平とは、運命に似た出逢いを感じている。トイレに行くとなつみはハンカチを見た。すると。「東京ディズニーランドホテルの名前と部屋番号が書いてある」このハンカチは。俊平の友達の提案の隠れミサイル的な発想。この作戦は2度当たった。翌日、なつみは東京ディズニーランドホテルに来ていた。なつみは俊平に運命的な出逢いを感じたのだ。結婚って、上り詰めた同士が結ばれて、子供を作り、子育てして、老後を迎えるだけではない。卵でもいい、ふたりで未来を築くのもら面白い人生だと。三人の女子アナの飲み会で結論していて、上り詰めてはいない、上り詰めようと努力している俊平に惹かれた。

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