「うん」

「じゃあ、今日の宿題。今度は自分からお昼、誘って」

「うん」

「あ、時間」

唯織にそう言われて腕時計を見る。

時間は11時55分。

「佐那みたいな可愛い女子高生が日を越えて外にいちゃダメだよ」

私は冗談だと思って苦笑いした。

「本気に思ってないでしょ、佐那は可愛いの」

説教するみたいに言うのだ。

「ほら、じゃあ、またね」

唯織は手を振って私の家とは逆の方向に歩いていく。

「じゃあね」

私は振り返って歩き出した。