「水季ちゃんと麻央ちゃんって言うんだけど、本当に優しくて、可愛くて…」

「うん」

「今日初めて話したのにお昼誘ってくれたし」

「うん」

「それで、LINEも交換して」

突然、唯織は私の頭に手を置いた。

唯織の大きい手が触れる瞬間、少し、身構えてしまった。

でも、嫌な感じはしない。

唯織はそのまま私の髪をぐしゃぐしゃにする。

私は乱れた髪の隙間から唯織の顔を見上げた。

「あ、ごめん」

唯織は手を引っ込めて目を逸らす。

「ありがと」

唯織は顔の向きを戻した。

「こんなんで満足しちゃダメだよ、もっと色々知るんだから」