少し驚いた顔をして私を見てから差し出されたノートをみる。

「え、いいの?」

私はうなづいた。

「えっと、3分の20?」

「あ、正解。次からは寝んなよ」

「はーい」

なんとか危機を脱した彼女は私を見た。

「ありがと」

ニコッと笑う笑顔は可愛かった。

授業が終わり、昼休みに入ると、私はおもむろにお弁当を出す。

当然のように自分の席で静かに食べようとすると、右から声が降ってきた。

「ねえ、近藤さん、一緒に食べない?」

さっきと同じ可愛らしい笑顔の水季がいた。

「…うん」

私が返事をするや否や、

「やった、ほら、はい」

慣れた様子で机を回転し、くっつける。