インターホンは
隼人くんにも届いているはずなのに
行為を全く辞めてくれないから
拳を作って肩を叩いた


何度も角度を変えて食べられて
しまいそうなほど深くされる行為に
息も苦しくて、口の端から唾液が
溢れそうになる





「んっ………はぁ……はぁ」


『‥‥‥残念‥‥
 やっと素直に開けてくれたのに』


いたずらっ子のように笑う隼人くんに
顔が真っ赤なまま見上げる。


『日和はここにいて。
 そんな顔誰にも見せたくないから』


えっ?


ベッドから降りて部屋を出て行ったあと
胸まで捲れ上がったブラウスと
露出した下着を慌てて整える


未だにドクドクと鼓動を増す胸に
手を当ててゆっくり呼吸を整えた


瞳を閉じると
隼人君の甘い舌と力が抜けて
気持ちよくなっていた
知らない自分に熱を増す


もしこのまま誰も来てなかったら
隼人くんと‥‥‥


後でみんなにメールしなきゃ‥‥
私のせいでレポート途中で
終わらせちゃったから


暫くして落ち着いてから部屋を出れば、
隼人君はリビングのソファに
腰掛けていたから、緊張しつつも
ゆっくりと階段を降りた



「お客様だった?」


『‥‥‥‥‥‥ん?大丈夫
 セールス。』



良かった……


あの後作った昼食を食べ終えた隼人君は
書き直した物を用事がてら
出版社に持っていくと
出掛けてしまったので、
私は隅に寄せていたノートを開いて
レポートの続きをすることにした



「ツッ!!」


ノートに書かれていた
言葉に私は固まってしまう


"ずっと好きだった。
ちゃんと話させてほしい"


安藤君のこと
友達としか見てなかったのに、
突然のことで受け入れられない‥‥
私は絶対先輩以外
好きにはなれないから。