『って‥‥ここかよ………
 高級マンションじゃん!』


私も最初は
きらびやかなエントランスやら
一面絨毯の通路に驚いたもん。



慣れって恐ろしい‥‥


「あ、あのね……実は、少し前から
 私、ここで住み込みで
 家事手伝いをさせてもらってるの」


『住み込み!?』


彩は知ってるけど
2人にはこういう話したことないし、
部屋に行ってからだと
瀬木さんいることに驚くから
最初に言うことにした


到着した私は
いつも通り鍵を出そうと思ったけど、
何となくみんな名前もあり
インターホンを押すことにしたのだ



カチャ



『あれ、おかえり。
 入ってくればいいのに‥‥』



「あ……はい‥えっと‥‥
 せ、瀬木さん、
 こちら私の大学の友達です」


急に静かになった3人を見れば
安藤くんは瀬木さんに驚いていて、
弥生ちゃんは何故か驚いた様子で
目を丸くして固まっている


瀬木さん本当にカッコいいから、
みんな固まるの分かるよ‥‥
わたしも初めて見た時固まったもん。


そこらの芸能人よりモデル並みに
綺麗な容姿してるし、背丈も
申し分ないくらいスラッとしてる。



『立花がお世話になってます。
 暑いからどうぞ』


瀬木さんがわざわざ外に出て
ドアを開けてくれたので、
ボーッとするみんなを
押し込み中に入れた


お世話になってますって……
まるで保護者みたい



『おかえり‥
 車出すって言ったのに』


クスクスと笑う綺麗な顔に
さっきまでの事を思い出して
顔が赤くなりそうだったから、
瀬木さんも一緒に押し込む


「近いからいいの!
 ほ、ほら暑いから入ろう?」



『もっと甘えればいいんだよ』



和木さんが別荘で言っていた事を
思い出して俯くと、
リビングに入ったみんなを確認して
瀬木さんは私の頭を撫でた



『あ、あの瀬木さん、
 ここのダイニングテーブル
 使ってもいいですか?』


敬語を使った私に
眉を寄せたのは
なんとなく分かったけど、
付き合ってるとは
みんなに言ってないもん。


あくまでも、ここでは
家事手伝いと雇い主だ。


ダイニングテーブルは
大きいから6人は座れるし、
ソファだと姿勢的に勉強やりづらい



『いいよ、立花さん。
 後でコーヒー持ってきて。
 残りの仕事仕上げてるから』


「う、……はい。」