瀬木 遥 side


立花の選んだ言葉を見たとき、
同じような気持ちを
書くつもりだったから正直驚いた。


今回の作品は
自分達を写して書いたところが
かなり多かったからだ。


腕の中におさまる小さな彼女が
赤くなり、俯く姿さえも愛おしい


あの頃より大人びて
はるかに綺麗になったけど、
変わらないあどけなさと純粋さが
今でもしっかり残ってる



立花……


本を書こうと思ったのは
本が好きな君が何処かで
いつか読んでくれるはず


そう思って書き始めた……


いつか必ず出会えるって
そう思ってたから


「綺麗ですね」


満月が映し出す世界を2人で見上げ、
月に伸ばした小さな手を包んだ


あの白樺の花言葉は
まるで今の自分と立花のように思える


離れていた6年分の君がもっと知りたい
これからも変わらずずっと‥‥




瀬木 side 終