今日も凄くいい天気‥‥


もっと都内にもこんな癒される
素敵な場所があればいいのにな。



『立花さん
 絞りたてのミルク貰ったから
 後でカフェオレ淹れてあげるわね』


「ほんとですか!嬉しいです。」


ここに来てすっかりハマってしまった
仲さんの特製カフェオレ。
あれ飲むと何だか
やる気が沸いてくるんだよね。


昨日瀬木さんの本を
読ませて貰えて本当に良かった。


漠然ではないにしろ読まないよりは
イメージが頭に浮かびやすいから


あの素敵な作品に
瀬木さんが思うようなメッセージを
似合わせることができたらいいな…



シャワーを終えた瀬木さんは
部屋で就寝中の為、
ウッドデッキでカフェオレを飲みながら
目の前の白樺の木々を眺めていた


本当に真っ直ぐ伸びていて
高い位置から枝が出ている不思議な木だ


まるで
交差しないあの二人の思いが
細い枝でかろうじて繋がっているように


駄目だ……
あの物語を思い出すだけで
どうしようもなく胸が切なくなる



『日和ちゃん何してるの?』


「わ、和木さん!!びっくりしました!
 もう起きてて大丈夫なんですか?」


数時間前に寝ると言っていたのに
フラつく事もなく腰掛けた和木さん


朝のようなグダグタ感はないから
多少は2日酔いはよくなったのかな‥


「瀬木さんに課題を頂いて
 瞑想中なんです。
 あ、でも、風が気持ちいいから
 ここにいるのもあるんです。」


軽井沢も夏になれば
完全に涼しい訳じゃないけれど、
ここは緑も多いし風も気持ちいいから、
都心よりかなり過ごしやすい


都内なんて風を感じても
アスファルトの熱さに負けちゃうから



『課題ねぇ……隼人厳しいでしょ?』


「そうですね……
 でもそれぐらい真剣さも伝わるので
 私も答えたいんです。」


『そっか‥。
 日和ちゃんってさ
 小さいけど真は真っ直ぐな所が
 ギャップがあっていいよね。』


………真っ直ぐかなぁ。
結構勘違いもするし、
道は相当踏み外してる気が
してるけどどうなんだろ‥‥。


「あ、あの‥‥そう言えば
 和木さんは瀬木さんといつ
 出会ったんですか?」



あんなに若くして本を出版出来たのは
私も昨日読んだから才能には
勿論納得できるけど、
瀬木さんにあんな態度を
とられてるからこそ
二人の関係性が少し気になっていた。