次の日

彩とまた涼しいお庭を散歩して
近くで写真を撮ったり
来る途中で見つけた
手作りジャムの店に行ったり
ガラス工芸のお店を見たりと
楽しい時間を過ごした。


午後はまたレポートを纏めて
美味しいご飯を沢山食べた。


仕事でここに来てるのに、
この時間を下さった瀬木さんに
本当に感謝している。


そして3日目


昼食を食べ終えたお兄ちゃんと彩は
アウトレットに寄って帰ると
早めに出ていった


お兄ちゃんは
もしかしたら瀬木さんと2人だと
緊張する私のために
忙しい中来てくれた気がする。
それかただのシスコンか‥‥。


彩はここに来ても
我慢して勉強頑張ってたから、
帰りくらいはお兄ちゃんと
楽しんで帰ってほしいな



手を振り見送った私は、
仲さんに断られたけどお願いして
別荘の掃除をお手伝いしていた。


天気もすごくよくて、
みんなのシーツを洗濯して干しながら
目の前に広がる景色に
思いっきり空気を吸い込んだ


「(将来は
 こんなところに住みたいな……)」


空の青さまで違うものに見えるのは
空気がキレイな証拠


瀬木さんも少しは
外に出れればいいのに……


マンションでもそうだけど、
書き始めると瀬木さんは
部屋からほんとに出てこない


食事は夜は一緒に食べるものの、
あとは気が向いたときに出てきて
少しかじる程度に食べると
また部屋に隠ってしまう



「仲さん。
 瀬木さんの部屋も
 掃除するんですか?」


マンションでも一度あの部屋に
入ってからは、声をかければ
掃除させて貰えるようにはなっている


徹夜してると思うときは、
さすがに声かけづらいんだけどね‥


『隼人君は
 ここに初めて来たときから部屋から
 なかなか出てこなくてね。
 今年は顔を見せてくれてる方なのよ?
 シーツも置いとけば
 自分で変えてるみたいだし。』


やっぱり‥‥……
ここでも同じなんだ


「私持ってきます。
 仕事の話もしたいので」


『そう?じゃあお願いしようかしら』


「はい」


笑顔の仲さんに私も笑顔で返す。


掃除機を全室かけ終えた私は、
一人だと部屋が広過ぎるので
お兄ちゃんがいた部屋に
移動をしてみた。


コンコン


「立花です」