恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで

でも昨日あの女の子は瀬木さんと
呼んでいたから頭が混乱しそうになる。


『隼人は日和も大好きな本を書いてる
 作家さんなんだよ。』


「ええっ!?さ、作家さんなんですか?
 ……だからこんなに本を沢山持って
 たんですね。」


一緒に本を読むだけだったし、何のお仕事してるかそこまでは分からなかった。


大切な人のお見舞いによく来てる人と
いう感覚で、まさか作家さんだなんて‥


『立花さん、作家名は瀬木。
 …‥‥‥‥瀬木 遥と言います。』


ドクン


その名前を聞いただけなのに、何故か
胸が苦しくなってきた


『日和、どうした?』

「あ、ううん……大丈夫。
 少し驚いただけ‥‥」


尾田 隼人と瀬木 遙。
どちらも初めて聞いた名前に思えない‥



『提案なんだけど、
 お前もそろそろ勉強がしたいだろ?』


えっ?


確かに‥‥。彩が以前持ってきてくれた
大学1年のノートも記憶がないから全く解けなかった


「うん‥。手のギプスも取れたし退院
 まであと1月だからやりたいけど、
 私に出来るかなぁ‥‥。」


『それなら大丈夫!
 ここに優秀な先生がいるからな。』


先生………?ってもしかして!!


『立花さん、俺が責任をもってゆっくり
 教えるからどうかな?』


『日和、隼人は頭がいいからいいぞ?
 教え方も上手いから。』


彼が私に勉強を……?
あれ‥‥‥‥‥‥?ちょっと待って‥?
頭の中にデスクに座ってる私が見えて
この人が横に立っている光景が見える?


『無理しないでいいよ。』


俯いていた顔をあげればそばに来ていた彼に頭をくしゃりとまた撫でられた


『立花さんが無理なら
 俺はいつまでも待てるから。』


いつまでも‥‥待てる………?


どうして会って間もないのに、この人の手や言葉全てに心が動くのだろうか‥。



「お願いします。私、戻りたいんです。
 彩と約束したから……」

『日和……』

『分かった。
 それじゃあ頑張ろうね、立花さん。』

「はい!」


わかった……この人といると記憶がないけどそれ以上に感じるものがあるのだ


きっとこの人は私のこと知ってるし、
そして私も彼を知ってるはず。


『それじゃあ決まりだな。隼人は仕事
 が忙しいから、日和に勉強を教え
 ながら仕事もしなきゃいけないんだ。
 分かるか?』