私は天宮 優茉先輩が好きだったんだ。


ふと、私の頭をこの言葉が掠める。すると、私の頬からしとしとと何かが滴るのを感じた。その場から立ちすくんでしまった。

頬が熱くなる。天宮先輩を思えば思うほど、熱くなる。苦しい。

私は気付くと、中庭に戻って座り込んでいた。


⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯タタタッ

と、足音が迫り来る音がする。

振り向くと、ふんわりとしたロングの髪にふんわりとした目と目が合った。

「天宮先輩……」

「静葉ちゃん、泣いてるの?」