ちょこちょこと駆ける天宮先輩について行く。どこか止まらなくてはと早る気持ちを感じた。

「ゆま……」

とどこか低い男の人の声が天宮先輩に声かけているようだ。

「優茉、好きだ!もう、俺以外のとこには行くなよ。あと、他の奴なんか見んなよ」

「頼之くん……」

えっ!頼之くんって、去年、写真部の部長の門山頼之先輩……。

どうして、ここに。

私は恐る恐る、庭園を抜け、声がする校門の方へと顔を向けた。

私は血の気が引いた。