「天宮先輩、ありがとうございます」

私は両手で渡された写真を手に取る。と、そこに私が撮ったはずのない写真が1枚入り込んでいた。私は、気になったが、科学の教室に行かなくてはならないことを思い出し、かなめたちと駆けて行った。


「では、これから授業を始める。皆、礼、着席」

と合田先生の始めの挨拶を聞き、化学の授業が始まった。

「ねぇねぇ、静葉、それってこの前、撮った写真?見せてよ!」

とかなめが隣からズイッと身を乗り出し、手に持っていた写真を奪い取られた。

「わー、写真どれもきれいっ!…あっ、天宮先輩がいるのもある!天宮先輩って可愛らしいよね。同級生だったら、すぐ仲良くなるんだけど、先輩だと壁感じる」

かなめはそうつぶやきながら、写真一枚一枚を見て行った。