⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯パシャパシャ

今日も私たちの近くでは、カメラのシャッター音が多く、教室構内に響き渡っていた。

私は、ふと、花吹山高校に入学した頃の記憶を思い出しながら、ホールの階段左にあるでかでかとした油彩画を見つめ、手を止めていた。

「この絵画、素敵だよね。私もよく見ちゃう」

と、どこか儚げな声が私に声がかかった。ふっと振り向くと、そこには1学年上の天宮 優茉先輩がいた。

「あ、天宮先輩……。先輩もこの絵画よく見るんですね。なんだか、この絵に惹かれてしまいますね」

私は天宮先輩にそう会話を繋げた。何か言わなければと思ったからだ。

「ふふっ、可愛い！門山 静葉ちゃんだよね？」

「はい、そうです」

この日は、たったのこの会話で写真部の部活動は終わりの時間を迎えた。