テレビをつければ、あるニュースが取り上げられていた。どのニュース番組をつけても、大体同じ内容だ。

「ここで速報です。あの人気アイドルグループ、STAR LIGHT NIGHT のリーダーである神矢星一と、織姫である星木奏が結婚したことを発表しました!」

「いやぁ、まさかですなぁ」「おめでたいですね!」などなどアナウンサーが言葉を発している。

それを温かく見ている私たち夫婦。……夫婦って言われると、なんか慣れなくて恥ずかしいな。

そんなことを思っていたら、私の友達の優里香から電話がかかってきた。

「もしも…」

『奏、あんたいつの間に?!』

うわぁ、相変わらず元気だなぁ。もしもしって言い終わる前に、優里香のキンキン声で塞がれた。

きっと、ニュースかSNSか何かで私たちの結婚を知ったのだろう。

『いきなり結婚なんてそうそう無いから、絶対にどこかしらで付き合ってたんだよね?いつから?』

「えーと、高校生の時から……」

『はぁ?!何でその時に教えてくれなかったのよ!友達なのに、酷い!』

「酷いと言われても、熱愛報道されるのが嫌だったから誰にも言わなかっただけだよ」

このやり取りで相手が誰なのか分かった星一は、私に電話を代わってと言ってきた。

すんなり代わってあげると、何やら優里香と会話し始めた。内容が気になった私はスピーカーにしてもらった。

『それにしても、神矢さんってビジュ良いし運動出来て頭も良いじゃん?歌上手いしダンスも出来てかっこいい要素しかないじゃん。奏がこんなに最強男子と結婚するなんて……』

「俺、今知ったんだけどさ。実は俺たちのこと最強夫婦って呼ばれているらしいね♪」

「え、そうなの?」

初めて知ったんだけど……てか、私は最強でもないから星一のせいって言っても良い気がする。

『そうなんだよね。今スピーカーなんだったっけ?じゃあ改めて、二人とも結婚おめでとう!あと、紅白出演決定おめでとう!」

「「ありがとう」」

優里香の言うとおり、紅白に出演出来ることになったんだ。でも、先に結婚発表しちゃったから少し恥ずかしいな。

それに、テレビ出演も決まっているからなぁ。嬉しいけど恥ずかしい!

「優里香サン、俺、奏のこと幸せにするから。だから、これからも俺らのこと応援してください」

『ふふふ、こんなに良い夫を持てた奏は幸せ者だねぇ?ふふ、二人で幸せになってね!』

私の大好きな友達は、今も高校生の頃とほとんど変わっていない。

「優里香、本当にありがとう!」