大きな拍手の余韻がまだ耳から離れない。とても楽しかった!

「ふぅ、とりあえずは悔いのないようなパフォーマンスが出来た。みんなお疲れ様!」

「「「「お疲れ〜!」」」」

星一の声は、みんなをまとめる力がある。今も、一言で私たちの言いたいことも代弁しちゃうんだもん。

「それにしても、奏ちゃんのパフォーマンス、とっても良かったよ!僕、感動しちゃった」

「あ、そうそう!七生も柄になく涙目になってたんだよ?俺見ちゃったんだよね〜」

「……うるせぇよ」

ははは、本当に三ツ星は仲良いな。多分、アイドルの中で一番仲の良いグループだと思う。

あ、そういえば、後十分後に優里香と待ち合わせしてるんだった。

近くのカフェで色々話す約束をしたんだ。そこでお礼も伝えたい。

「私、友達と会う約束したから、一回着替えてくるね!」

「うん。気をつけてね奏ちゃん」

「ありがと舞さん!」

衣装を壊したり汚さないように気をつけて着替える。ついでにメイクも落としちゃう。

そして、実は、私は目が悪いからメガネをする。学校ではしてないけど、変装出来るしちょうど良い。




「でね、超怖かったんだよ!」

私は優里香とカフェでライブについての話をしていた。

ファンの子が優里香が最初にいた場所を横取りしてきて、怖かったんだって。

「てか、優里香、めっちゃペンライト振ってたね!分かりやすかったよ」

「でも、そのおかげで奏にファンサ貰えたから良かった!」

「ちょっと恥ずかしかったけどね?」

思い出すだけで苦笑いしてしまう。よく私はあのときファンサ出来たと思う。

「それより本題!奏、めっちゃ歌上手いしダンスも上手だったよ!声も綺麗だし、歌詞も泣けた」

「それなら良かった」

「もう、周りの人泣いちゃってたもん。織姫の子のことなめてたって言ってた。凄かった、心に刺さったって声がたくさん聞こえたよ。さすが、私の友達だね!今日で奏のファンも増えたと思う。私は元々、初期から奏のファンだけどね!」

今回のライブは大成功と言っても良かった。舞さんから聞いたけど、東京ドームでのコンサートが決定したらしい。

そこでは今回よりも一時間長くライブをするんだとか。それまでに私は、さらに体力をつけなければいけない。

「東京ドームかぁ。みんなに憧れのステージに、とうとう立てるんだね!おめでとう!」

「でも、私なんて全然頑張ってないのに行けるんだよ?三ツ星に申し訳ない……」