私は橋本へ連絡した。私から連絡したことなんてなかったからすごく緊張した。
『明日私の友達が橋本くんに、話したいことがあるから良かったらあって欲しい』
『いいよ』
私は茜の告白が実るように祈りながら眠りについた。

橋本と茜は幸せそうにキスをした。そのまま手を繋いで光が指す方向へと消えていった。
次に見えたのは橋本と茜がウエディングドレスやらを着ていてまた誓のキスやらをしている。
そして茜の腕には赤ちゃんが抱かれていた。

朝起きると汗をびっしょりとかいていた。なんだ、夢だったのか。気持ち悪い。なんだかそれにモヤモヤする。私は茜と橋本の幸せを願っているのに。これが嫉妬というのだろうか。
私たちの関係は茜が成功することによって無くなるのであろう。ポツリと何かが頬を伝う。

スマホが2件鳴り出した。

『告白、成功したよ!』
『もう終わりにしよう』

私の中で2種類の気持ちがぶつかり合っていた。嬉しい気持ちと悲しい気持ち。今日はもう何をする気力も出てこなかった。ぐちゃぐちゃとした気持ちを抱きながら返事を返した。

『おめでとう』

私は夜になるともたもたと着替え気だるげに出かけて行った。おじさんのいる居酒屋へとそのまま直行した。
いつものように油っこいものとハイボールを注文し、ぐるぐるする頭を落ち着かせるように放り込んでいく。
そしてトイレへ行き吐き出し、また放り込む。
この時はもう涙をも混じりながら繰り返していたような気がする。
落ち着いた頃には深夜の2時になっていた。