私は蓮くんと両思いになった。



まあ恋心?に気づいたのはさっきなんだけどね。




そして、私は少し気になっていることがある。





「ねぇ、連くん。ここはどこ?」





私が問うと、んーといい顔を上げた。






「あぁ、ここ?ここは俺の家。」






「へっ!?」





私は思わず情けない声を出してしまった。






確かに、大きい家だなーとは思ってたけど、生活感がなさすぎて人の家だとは思わなかった。






「…ほんとに蓮くんはここに住んでるの?」





私が再度聞くと





「はは、そっか。この家に生活感がなくて不思議がってるんだね。まあ、正確に言うとここ"も"俺の家だよ。」





は?





「家がいっぱいあるってこと?」





「んー、まあそんな感じ。」





すごっ…




宮瀬グループ恐るべし。






「じゃあお邪魔…だったよね…。ごめんね、すぐ帰るから…。」





私が急いで立とうとすると、





「このまま返すわけないじゃん。」






え?





「優愛ちゃーん。今の自分の格好気付いてる?」




へっ?




ひゃあ!!





化粧のとれた顔、ボロボロの服、そして泣きすぎて顔が腫れてる…。





「誰…このブサイク。」




私がしょげていると、






「はぁ?何言ってるの?俺が言いたいのはそういうことじゃなくて、その格好で街中を歩いたら間違いなくお持ち帰りされるよ?」






お、お持ち帰り…!?





「そ、そんなわけないじゃん!誰がこんなブサイクを…」





「はぁ…どうして俺の彼女はこんなにも鈍感なのかね。」





鈍感?




誰が?





私が!?






「そんなわけないよ!私は鈍感じゃないでーす!」






「はぁ…まあとにかく今日は無理。絶対家に返さない。」






「そ、そんなこときゅーに言われても…。」





「大丈夫。手は出さないから」






私が心配してるのはそこじゃない。






「す、好きな人と一緒に居るっていうのが恥ずかしいのっ…、、」






私がそう言った瞬間、蓮くんの目の色が変わった。






「へぇ…可愛いこと言ってくれんじゃん。」





と言いながらキスをしていた。






「んっ…んんん。」







「やっぱ前言てっかーい。この状況で我慢するほーが無理。」






へっ!!




嘘…嘘…嘘…






「わ、私…その…こーゆーこと初めてなんだけど…」






と、遠慮がちに言うと、






「は?」





と言われた。






そんな事言われても初めては…初めてだし…。







私に変な噂が飛んでいることは知っている。






でも、それは全部





「デマ…だったのか?」





そう。






私がそう言うと彼は嬉しそうに笑った。






「じゃあ優愛の初めては俺の物っていうことだね。」





つっ…。






改めてそう言われると…






「恥ずかしい…んだけどっ…。」





「……ほんとお前なんなの?可愛すぎでしょ。」






彼はさっきより深い深いキスをしてきた。






こんな感覚初めてでどうすればいいか分からなかったけど、何と言っても蓮くんが上手すぎてびっくりした。





そして、キスも終え、さあ次の段階という時に私は思わず言ってしまった。






「ねぇ、蓮くん…さ。今まで何回したの、?」





すると驚いたように顔を上げた蓮くん目があった。






「……どうだろうな。」





それって覚えてないくらいしたってこと?






私…じゃなくて…?






「私…だけがいい…。」





「えっ?」






「蓮くんは私のなんだから他の人としちゃダメっ!」




我ながら嫉妬深いとは思う。





でも、言わずにはいられなかった。





蓮くんの反応が怖くて思わず目をつぶっていると、






また優しいキスが落ちてきた。






「俺の一番は全部優愛…だよ?それは忘れないで。」






あぁ、ほんとにこの人は、







「うん、信じさせて。」






私は主導権を彼に渡した。







その後、死ぬほど腰が痛くなったのはまた次の機会に。