んっ…。
ここは…?
「ああ、気づいた?」
この声…
「宮瀬蓮っ!?」
「おお、びっくりした。」
私…どうしてここに…?
あっ!
そうだ…私…
襲われかけて…。
「つっ…、」
「…大丈夫?」
私が震えていたからか宮瀬蓮が私のところに来てゆっくり肩を抱いた。
「みっ、やせ…れんっ!こ、怖っか…った、」
私が涙を流しながら肩を震わせていると、少し苦い顔をした後申し訳ない眼差しをむけてきた。
「ごめんね…怖かったよね。でもどうしてここにいるの?」
どうして、ここに…か…。
「私…私は…宮瀬っれ…んに会いに来た…。」
「……俺に?」
「だって…あんた私…を知ってるでしょ?」
「…何を?」
「私のこと…夜街の女帝って言ったでしょ…?」
私の言葉を聞くと彼は一瞬驚いたように目を開いた後、ゆっくり微笑んだ。
「ああ…なるほどね。だからか…。へぇ…俺のこと気になるの…ね。」
「な…なに、よ。」
「いや…。優愛ちゃんが俺のこと気になると思ったら嬉しくて。」
「そんなことより私の質問に答えて。どうして知ってるの?それに…白虎って…あの?」
そう、私の知識が正しかったら恐らく…
「ふぅ…。そうだね。まずは何で知ってるか…について答えようか。それは俺が…この街のリーダー?だから?」
リーダー?
「そっ、まあ。言い方は違うかもだけどそんなもんだよ。」
「説明して。」
この街のリーダーって何よ、、
「だって俺…日本No.1の極道宮瀬家のちょーなんだよ?」
は?
極道の…宮瀬家…?
それは私でも知ってる。
裏の人間はその名を聞いただけで気絶し、政府関係者でさえ彼らには頭が上がらないと言われている、伝説の組織。
それがまさか宮瀬蓮だなんて…。
でも白虎って…
「そ、白虎は俺が一人前になるために親父が作った日本No.1の暴走族氷河のそうちょーが白虎。つまり俺のこと。」
嘘…。
「どー?俺のことわかった?だったら教えて。君のことも。この街の男全てが一度は落ちたといわれ、一夜にして通り名が付いた伝説の女。」
私のこと…か。
まあ、ここまで教えてもらったら言わないと…ダメな感じ?
ふぅ…、
「宮瀬蓮が言ったほど私は大物じゃない。ただ行く当てがなくて、彷徨いてお金を稼いでいただけ。」
「行く当てがない?」
「そ。私は…旧花咲財閥の末娘。名前くらいは知ってるんじゃない?」
「……旧花咲財閥。知ってるよ、有名だしね。確か…」
「そう。15年前に衰退した財閥。もう覚えてる人は少ないと思ってた。でもやっぱ知ってるよね、」
「…当たり前だよ。この業界でその名を知らない人なんていない。大物中の大物。でもまさか優愛ちゃんがそうだったなんて…隠されしプリンセス。中称エンサントプリンセス。」
エンサントプリンセス…か。
懐かしい名前を聞いた気がする。
私はお母様にもお父様にも嫌われていた。
だから社交界に出ることは一度もなく、ただ存在だけが知り渡り、その噂を聞いた者たちが呼び出した名前。
それが、エンサントプリンセス。
「これで私のことはわかったでしょ?もういい?」
昔のことを語りすぎて頭が痛くなってきた。
嫌なこと…思い出したな…
「待って、あと一つだけ…いい?」
「……なに?」
「どうして、そんなに悲しそうな顔をするの?」
つっ…、、
「ねぇ、優愛ちゃん。君にはもっと悲惨な、」
やめて…
やめてよ…
「もう何も言わないで…!!!」
「つっ!?」
これ以上私の心に入ってこないで…、、
「優愛ちゃん……、」
「助けてくれたことはありがとう。もう私に関わらないで。私の二重人格のことはみんなに言っていい。だからもうこの関係もおしまい。ごめんね。」
「待って…優愛ちゃん!」
私は宮瀬蓮の静止を振り切って走った。
「優愛!!」
どうして…っ!?
どうして…あなたは…
「話しかけないでって言ってんでしょ!?」
私が強い口調で言うと、宮瀬蓮は躊躇なく後ろから私に抱きつき安心させるように、上唇を親指でなでた。
「つっ…」
それが不思議と安心できるもので、私の心は段々と落ち着きを取り戻していた。
「優愛…俺の話を聞いて。」
私は大人しく話を聞くことにした。
「…なに?」
「一人で抱え込むな。今じゃなくていい、優愛が言いたいタイミングで言ってくれたらいい。それまで俺待つから。いくらでも。だから一人になろうとするな。」
「…つっ!」
「俺はお前を置いてどこにも行かない。」
私はその言葉で全てを打ち明ける決心をした。
「…私にはね…姉がいたの。姉の名前は花咲桃奈。
さっき私はお母様とお父様に好かれてないって言ったけど、桃奈お姉様はむしろ反対だった。
私のことを見てくれたし、愛してくれた。だから私は桃奈お姉様が大好きだった。
桃奈お姉様は私とは正反対で超がつくほどのお人好しで善人だった。
いつも花が咲いたようにふわっと笑う姿は花咲の名の通り女神のように美しかった。
私がお父様に暴力を振るわれていた時、助けてくれたのはいつも桃奈お姉様だった。
お母様に暴言を吐かれていた時、助けてくれたのはいつも桃奈お姉様だった。
私は早く中学校を卒業して桃奈お姉様と一緒に暮らそうと、心に誓い地獄のような毎日を過ごしていた。
でも、現実は卑劣だ。
神様はいつも心が綺麗な人ばかりの命を狙っていく。
桃奈お姉様は私が5年生の時…死んだ。
死因は頭部損傷。
私のファンのストーカーに私と感じがいされた挙げ句、そのストーカーに階段から落とされ…死んだ。
私がモデルなんてしなければ…
私が生まれていなければ…
桃奈お姉様が死ぬことはなかったのに…、
その後…
私は桃奈お姉様が死んだその日から中学一年生までの記憶をなくした。
思い出すことさえ…怖くてできない。
なにか…ありそうで。
きっと桃奈お姉様は私を憎んでいる。
だって…人違いで殺されちゃうんだよ?
私さえいなければ、もっと生きれたのに…
その当時…桃奈お姉様には恋人がいた。
2年くらい付き合ってると言ってた。
その当時の桃奈お姉様の年齢は22歳。
私がいなければ、きっとその人と結婚して子供が生まれて、幸せな家庭を築けていただろう…な。
だからこそ…私はその幸せな桃奈お姉様の未来を奪ってしまったことが…悔しくてならないの…。
……わかった?
これが私の過去。
最低でしょ…?」
ここは…?
「ああ、気づいた?」
この声…
「宮瀬蓮っ!?」
「おお、びっくりした。」
私…どうしてここに…?
あっ!
そうだ…私…
襲われかけて…。
「つっ…、」
「…大丈夫?」
私が震えていたからか宮瀬蓮が私のところに来てゆっくり肩を抱いた。
「みっ、やせ…れんっ!こ、怖っか…った、」
私が涙を流しながら肩を震わせていると、少し苦い顔をした後申し訳ない眼差しをむけてきた。
「ごめんね…怖かったよね。でもどうしてここにいるの?」
どうして、ここに…か…。
「私…私は…宮瀬っれ…んに会いに来た…。」
「……俺に?」
「だって…あんた私…を知ってるでしょ?」
「…何を?」
「私のこと…夜街の女帝って言ったでしょ…?」
私の言葉を聞くと彼は一瞬驚いたように目を開いた後、ゆっくり微笑んだ。
「ああ…なるほどね。だからか…。へぇ…俺のこと気になるの…ね。」
「な…なに、よ。」
「いや…。優愛ちゃんが俺のこと気になると思ったら嬉しくて。」
「そんなことより私の質問に答えて。どうして知ってるの?それに…白虎って…あの?」
そう、私の知識が正しかったら恐らく…
「ふぅ…。そうだね。まずは何で知ってるか…について答えようか。それは俺が…この街のリーダー?だから?」
リーダー?
「そっ、まあ。言い方は違うかもだけどそんなもんだよ。」
「説明して。」
この街のリーダーって何よ、、
「だって俺…日本No.1の極道宮瀬家のちょーなんだよ?」
は?
極道の…宮瀬家…?
それは私でも知ってる。
裏の人間はその名を聞いただけで気絶し、政府関係者でさえ彼らには頭が上がらないと言われている、伝説の組織。
それがまさか宮瀬蓮だなんて…。
でも白虎って…
「そ、白虎は俺が一人前になるために親父が作った日本No.1の暴走族氷河のそうちょーが白虎。つまり俺のこと。」
嘘…。
「どー?俺のことわかった?だったら教えて。君のことも。この街の男全てが一度は落ちたといわれ、一夜にして通り名が付いた伝説の女。」
私のこと…か。
まあ、ここまで教えてもらったら言わないと…ダメな感じ?
ふぅ…、
「宮瀬蓮が言ったほど私は大物じゃない。ただ行く当てがなくて、彷徨いてお金を稼いでいただけ。」
「行く当てがない?」
「そ。私は…旧花咲財閥の末娘。名前くらいは知ってるんじゃない?」
「……旧花咲財閥。知ってるよ、有名だしね。確か…」
「そう。15年前に衰退した財閥。もう覚えてる人は少ないと思ってた。でもやっぱ知ってるよね、」
「…当たり前だよ。この業界でその名を知らない人なんていない。大物中の大物。でもまさか優愛ちゃんがそうだったなんて…隠されしプリンセス。中称エンサントプリンセス。」
エンサントプリンセス…か。
懐かしい名前を聞いた気がする。
私はお母様にもお父様にも嫌われていた。
だから社交界に出ることは一度もなく、ただ存在だけが知り渡り、その噂を聞いた者たちが呼び出した名前。
それが、エンサントプリンセス。
「これで私のことはわかったでしょ?もういい?」
昔のことを語りすぎて頭が痛くなってきた。
嫌なこと…思い出したな…
「待って、あと一つだけ…いい?」
「……なに?」
「どうして、そんなに悲しそうな顔をするの?」
つっ…、、
「ねぇ、優愛ちゃん。君にはもっと悲惨な、」
やめて…
やめてよ…
「もう何も言わないで…!!!」
「つっ!?」
これ以上私の心に入ってこないで…、、
「優愛ちゃん……、」
「助けてくれたことはありがとう。もう私に関わらないで。私の二重人格のことはみんなに言っていい。だからもうこの関係もおしまい。ごめんね。」
「待って…優愛ちゃん!」
私は宮瀬蓮の静止を振り切って走った。
「優愛!!」
どうして…っ!?
どうして…あなたは…
「話しかけないでって言ってんでしょ!?」
私が強い口調で言うと、宮瀬蓮は躊躇なく後ろから私に抱きつき安心させるように、上唇を親指でなでた。
「つっ…」
それが不思議と安心できるもので、私の心は段々と落ち着きを取り戻していた。
「優愛…俺の話を聞いて。」
私は大人しく話を聞くことにした。
「…なに?」
「一人で抱え込むな。今じゃなくていい、優愛が言いたいタイミングで言ってくれたらいい。それまで俺待つから。いくらでも。だから一人になろうとするな。」
「…つっ!」
「俺はお前を置いてどこにも行かない。」
私はその言葉で全てを打ち明ける決心をした。
「…私にはね…姉がいたの。姉の名前は花咲桃奈。
さっき私はお母様とお父様に好かれてないって言ったけど、桃奈お姉様はむしろ反対だった。
私のことを見てくれたし、愛してくれた。だから私は桃奈お姉様が大好きだった。
桃奈お姉様は私とは正反対で超がつくほどのお人好しで善人だった。
いつも花が咲いたようにふわっと笑う姿は花咲の名の通り女神のように美しかった。
私がお父様に暴力を振るわれていた時、助けてくれたのはいつも桃奈お姉様だった。
お母様に暴言を吐かれていた時、助けてくれたのはいつも桃奈お姉様だった。
私は早く中学校を卒業して桃奈お姉様と一緒に暮らそうと、心に誓い地獄のような毎日を過ごしていた。
でも、現実は卑劣だ。
神様はいつも心が綺麗な人ばかりの命を狙っていく。
桃奈お姉様は私が5年生の時…死んだ。
死因は頭部損傷。
私のファンのストーカーに私と感じがいされた挙げ句、そのストーカーに階段から落とされ…死んだ。
私がモデルなんてしなければ…
私が生まれていなければ…
桃奈お姉様が死ぬことはなかったのに…、
その後…
私は桃奈お姉様が死んだその日から中学一年生までの記憶をなくした。
思い出すことさえ…怖くてできない。
なにか…ありそうで。
きっと桃奈お姉様は私を憎んでいる。
だって…人違いで殺されちゃうんだよ?
私さえいなければ、もっと生きれたのに…
その当時…桃奈お姉様には恋人がいた。
2年くらい付き合ってると言ってた。
その当時の桃奈お姉様の年齢は22歳。
私がいなければ、きっとその人と結婚して子供が生まれて、幸せな家庭を築けていただろう…な。
だからこそ…私はその幸せな桃奈お姉様の未来を奪ってしまったことが…悔しくてならないの…。
……わかった?
これが私の過去。
最低でしょ…?」