彼は一体何者なのだろう。





屋上の一軒いらいずっと考えていること。





彼が只者じゃないくらい私にもわかる。






情報収集してみるかな。





私は殆どのことが上手くできるけど、その中でも情報収集はちょー得意。





さっ、やりますか。





まずは…





クラスメイトに聞いてみた。




そしたら、




「宮瀬くん?ああ、2年生の宮瀬先輩ね!彼は一言で言うと…もうちょぉカッコいい王子様!!」




「あ、うん。」




何人かに聞いたけどみんな口を揃えて




王子様、優しいイケメン




みたいないいことしか言わなかった。




あまり参考にならなかったから、




参考になりそうな人に話を聞くことにした。




2年生…




つまり宮瀬蓮と同学年の人に会いに行く。





でもいきなり行ったら驚かれるから、まずは伝で…





「ああー!!待った?優愛ちゃん。」




やっとね、




「んーん、全然待ってないよっ!来くれてありがとっ!桐生先輩っ!」




そう2年C組の桐生卓也。




宮瀬蓮と同じ学年の…しかもクラスメイトだし。






「つっ!そりゃあ優愛ちゃんの誘いを断るわけないでしょ。」




ふーん。ありがとう。





「それで?どうしたの?俺に用なんて。」





できるだけ…自然に、




「桐生先輩は宮瀬蓮先輩を知ってるっ?」




「宮瀬蓮…。なんだ優愛ちゃん。宮瀬に興味があるの?」




桐生…?




声のトーンが変わった?




「……うんん。そんなことはないよ。ただ東の王子様って呼ばれてるから気になって…、」




すると声のトーンがもとに戻り




「そっか、なるほど。まあ俺も良く分からないけど、あいつは優しい男?だな。」







「優しい…ね。他には何かある…?」





「んー、品行方正で先生に好かれている…。ああ後は直ちょく夜街に行ってるみたいだよ」





夜街?




ああ、なんかそういえば言ってた気がする。




確か…





「おっと、逃さねぇーよ?南の天使様?もしくは夜街の女帝…って言った方が分かりやすいかな?」






だったかな?





確かに私が夜街で女帝って言われているのを知っていた…。





そんなことを知ってる人間は限られる。





「どのくらいの頻度で行ってるのか知ってる?」






「んー、2日に1回くらい?ああ、今日もじゃなかった?行く日。」





へぇ。




いいこと聞いちゃった。





「わかった。ありがとうっ!じゃあまたねっ!」





「そうえば最近遊んでくれないけどなにしてるの?」





え?





「んー、内緒…かな?」





「ふーん、そっか。またな。」




 
行ったら宮瀬蓮に怒られそうだけど、まああんたの事だし…仕方ないよね。













まさかこの時の決断があんなことを招くなんて…