マドレーヌは聖女の力を使って、たくさんの悪魔を滅したことで領民たちから大人気だった。
そして伯爵たちが事故死してしまったベルナール公爵家の養子として迎えられた。
そこでベルナール公爵領の人たちを味方につけるのだが、今のマドレーヌはそこまでしていない。

(悪魔祓いってわたくしにもできたのね……聖女の力を持っているから当然なんだけど知らなかったわ)

フランソワーズが国から出たため、マドレーヌは宝玉の前で祈っているの頃だろうか。
悪魔の宝玉が早く壊れることを祈るばかりだ。

(もうわたくしには関係ない話だわ……あの国のことは忘れましょう)

フランソワーズは話を逸らすように、ステファンがあの後どうなったのか問いかける。
意識を失い、イザークとノアによって城にある教会に運ばれたステファン。
その間、ステファンは随分と抵抗したそうで二人は傷だらけだったそうだ。
恐らくステファンを使って、フランソワーズを排除したかったのだろう。
意識が戻ったのは、呪いが解けた後だった。
イザークとノアにお礼を言ってからフランソワーズの元に急いだ。
そこでオリーヴの病が治ったことを知る。
それから彼はフランソワーズが祈っている扉の前で、ずっと待機していたそうだ。
だからこそフランソワーズが倒れた時に壁を叩いた僅かな音も聞き逃さなかった。