「全部ぜんぶ、あなたのおかげよ……! ありがとう、フランソワーズ」
「いえ……!」
目に涙を浮かべたオリーヴは、フランソワーズに抱きついた。
可愛らしい姿を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。
「オリーヴ、フランソワーズが困っているだろう? 離れてくれ」
「わたくしったら興奮してしまって……ごめんなさい」
「元気になられてよかったです」
「……っ、ありがとう! フランソワーズ」
オリーヴは涙を拭いながらそう言った。
フランソワーズが祈っている途中から、みるみるちに体調がよくなっていき、動けるようになったそうだ。
今までの苦痛が嘘のように無くなっていった。
そこからフランソワーズが無事に部屋を出てくるのを心待ちにしていたらしい。
涙を流しながらフランソワーズにお礼をいうオリーヴを優しい表情で見つめているステファン。
フェーブル国王や王妃も嬉しそうにしつつ、目頭を押さえていた。
「フランソワーズ、またゆっくりお話しましょう!」
今から婚約者に元気になった姿を見せに行くそうだ。
彼にとっても最高のプレゼントになるだろう。