フランソワーズは幼い頃から悪魔の宝玉を守るためだけに育てられた。
他の悪魔は祓ったことはないが、知識だけはたくさんある。
一方、マドレーヌは他の悪魔をたくさん祓ったことはあるが、宝玉の抑え方は知らないはずだ。
フランソワーズは今まで王妃教育と共に培った知識をステファンに話していく。


「……なるほど」

「それと悪魔が媒体にしている本ですが、なるべく太陽の光が当たる場所に置くべきです。光が当たらない場所では悪魔の力が強まりますわ」


悪魔の宝玉も常に陽の光が当たる塔の最上階に置かれている。
それは少しでも悪魔の力を抑えるためだ。


「そうだったのか。僕たちはすべて逆のことをしていたようだ……」

「何も知らないのですから、仕方ありませんわ」


シュバリタリア王国では当たり前のことも、他国にはない知識のようだ。
ちなみにステファンやオリーヴを呪った本を教会に移そうとしたそうだが、本に触れた人は皆、何らかの形で呪われてしまったそうだ。
フランソワーズは悪魔の本に触れることなく動かす方法をステファンに伝えていく。


「もっと早くフランソワーズ嬢に話を聞けていたら、皆が苦しまずに済んだかもしれない。プライドなど捨てて助けを求めていればっ……!」