「ああ、わたくしを国外に追放するのでしたのよね? 今すぐ出て行った方がよろしいかしら」

「……!」

「このような屈辱を受けて、ここにはいられませんもの。それにこんな方たちのために、ずっと祈りを捧げていたのだと思うと最悪な気分ですわ」

「なんだと?」

「その役目から解放されて心から嬉しいです」


とりあえずは言いたいことはすべて言ったためフランソワーズは満足だった。
こんな状況でも堂々と胸を張っていられるのは己の身が潔白だからだろう。
にっこりと嬉しそうな笑みを浮かべたフランソワーズにセドリックはや父の顔が一気に曇る。


「大口を叩いておいて、結局罪を認めるのかっ!」

「認めていませんわよ? ですがセドリック殿下の言葉に逆らうわけにもいきませんから」

「……待てっ! とりあえずは父上に報告を」

「セドリック殿下こそ、ご自分の発言を撤回するおつもりですか? 随分と軽薄ですこと」

「なっ……!?」


フランソワーズに煽られたセドリックは、怒りからか顔を真っ赤にしている。
フランソワーズは「あらあら」と口元に手を当てる。


「セドリック殿下、公の場ではしたないですわよ」

「……貴様っ、俺を愚弄する気か!?」

「あら、お気に障りましたか。それはともかくマドレーヌとお幸せに」