固く握られた手のひらは微かに震えているような気がした。
フランソワーズはステファンにあることを告げるために大きく息を吸ってから吐き出した。
そして口を開く。
「ステファン殿下……わたくし、シュバリタイア王国に行かなければいけません」
「……っ!」
ステファンのフランソワーズを抱きしめる力が強まった。
シュバリタイア王国に行かせたくない……何も言わなくてもそう言われているような気がした。
フランソワーズはステファンの気持ちが嬉しくて仕方なかった。
それほどまでに心配してくれていると思ったからだ。
(でも、わたくしが行かないと……)
フランソワーズは、先ほどステファンが右の薬指にはめてくれた指輪を外した。
指輪を外したことに驚いたステファンの青い瞳が大きく揺れ動く。
「フランソワーズ……?」
体を離した彼の前でフランソワーズは左手の薬指に指輪をはめ直す。
そしてステファンを安心させるように笑みを浮かべてから顔を上げた。
「わたくしはステファン殿下と同じ気持ちですわ」
「……!」
「この件が終わりましたら、ステファン殿下のそばにずっといさせてください」
フランソワーズはステファンにあることを告げるために大きく息を吸ってから吐き出した。
そして口を開く。
「ステファン殿下……わたくし、シュバリタイア王国に行かなければいけません」
「……っ!」
ステファンのフランソワーズを抱きしめる力が強まった。
シュバリタイア王国に行かせたくない……何も言わなくてもそう言われているような気がした。
フランソワーズはステファンの気持ちが嬉しくて仕方なかった。
それほどまでに心配してくれていると思ったからだ。
(でも、わたくしが行かないと……)
フランソワーズは、先ほどステファンが右の薬指にはめてくれた指輪を外した。
指輪を外したことに驚いたステファンの青い瞳が大きく揺れ動く。
「フランソワーズ……?」
体を離した彼の前でフランソワーズは左手の薬指に指輪をはめ直す。
そしてステファンを安心させるように笑みを浮かべてから顔を上げた。
「わたくしはステファン殿下と同じ気持ちですわ」
「……!」
「この件が終わりましたら、ステファン殿下のそばにずっといさせてください」