「今すぐに宝玉を浄化しなさいっ! でなければお前を処刑してやる……!」
どこにそんな力があるのか。
マドレーヌは王妃に髪の毛を鷲掴みにされて、引き摺られるように宝玉の前へ。
マドレーヌは痛みに泣き喚いていたが、誰も助ける者はいない。
「きちんと自分の役目を果たしなさいっ!」
「……っ!」
「こんなことになるくらいなら、あなたじゃなくてフランソワーズの方がずっとよかったっ! フランソワーズを返してちょうだい!」
フランソワーズと比べられたマドレーヌは唇を噛んでいると、皆は休憩のために部屋から出て行くようだ。
一方的に暴言を吐きかけられて、マドレーヌは手のひらを握り込む。
重苦しい空気の中、鍵が閉まる音が聞こえた。
宝玉がある部屋に閉じ込められてしまう。
こんなところで一生過ごすなんて考えられなかった。
次第に怒りがマドレーヌの頭を支配する。
次の日も代わる代わる入ってくる令嬢たちと一緒に、徐々に黒く染まる宝玉の力を押さえていた。
回復したのか、王妃も宝玉を抑えるために部屋に入る。
そこで衝撃的なことを聞かされることになった。
王妃は皆を集めて真剣な表情でこう言った。
「今、隣国のフェーブル王国にいるフランソワーズを取り戻すために動いているわ」
それを聞いた令嬢たちの表情がパッと明るくなる。