(どうしてわたしがこんな風に責められないといけないの!?)
もうマドレーヌの知っている物語とは違う道に進み始めている。
このままどうしたらいいのかなんて、わかるはずもない。
(もうこんなの無理よ……!)
シュバリタリア国王や父の説得にも耳を貸さずにいたのだが、二週間経って限界が訪れたらしい。
あんなにも優しかった父や母も『宝玉を浄化してこい!』と、怒鳴り声を上げるようになった。
マドレーヌを味方するものなど一人もいない。
宝玉を理由にマドレーヌに責任を擦り付けようとしている。
そして、ついにマドレーヌの部屋の扉が蹴破られてしまった。
「──マドレーヌ、いい加減にしろ!」
「キャアアァァッ! やめてぇ……!」
今度は父に引き摺られるようにして部屋に出される。
母に助けを求めようとしても、冷たい視線を送られるだけ。
そのまま身なりも整えることなく、無理矢理城まで連れていかれてしまう。
宝玉の間に行くまでに、マドレーヌに向けられる殺意が込められた視線。
案内された部屋の中には、怒りに顔を真っ赤にしたシュバリタリア国王と顔面蒼白なセドリックの姿。
そこで告げられたのは信じられない言葉だった。
嘘をついていたこともバレたマドレーヌは、その罰として永遠に宝玉に祈りを捧げることを命じられる。