フランソワーズは小さく首を横に振る。
ステファンは、これ以上この話題に触れることはなかった。
その気遣いが今はありがたい。
「こうしてフェーブル王国に来てから、心が潤っていくような気がするんです」
「フランソワーズ……」
「ステファン殿下と色々な体験ができて、わたくしは幸せです。毎日が輝いていて……」
休む間もなく王太子の婚約者と宝玉を守る役目を続けていたフランソワーズの心は乾いていた。
だが今は色々なことを少しずつ少しずつ取り戻していく。
ステファンの手がフランソワーズの無意識ににぎっていた手を覆う。
「これからは僕と色々なことをしよう」
「……え?」
「僕はフランソワーズを幸せにしたい。君には、ずっと笑顔でいて欲しいんだ」
フランソワーズはステファンの手を握り返す。
温かい体温を感じながら瞼を閉じた。
「ありがとうございます……ステファン殿下」
馬車が街に着くまで、フランソワーズはステファンに体を預けながら手を握っていた。
馬車が大通りに差し掛かる手前で止まる。
再びステファンのエスコートで、フランソワーズは馬車から降りた。
ここがフェーブル王国で一番大きな街だそうだ。
ステファンは、これ以上この話題に触れることはなかった。
その気遣いが今はありがたい。
「こうしてフェーブル王国に来てから、心が潤っていくような気がするんです」
「フランソワーズ……」
「ステファン殿下と色々な体験ができて、わたくしは幸せです。毎日が輝いていて……」
休む間もなく王太子の婚約者と宝玉を守る役目を続けていたフランソワーズの心は乾いていた。
だが今は色々なことを少しずつ少しずつ取り戻していく。
ステファンの手がフランソワーズの無意識ににぎっていた手を覆う。
「これからは僕と色々なことをしよう」
「……え?」
「僕はフランソワーズを幸せにしたい。君には、ずっと笑顔でいて欲しいんだ」
フランソワーズはステファンの手を握り返す。
温かい体温を感じながら瞼を閉じた。
「ありがとうございます……ステファン殿下」
馬車が街に着くまで、フランソワーズはステファンに体を預けながら手を握っていた。
馬車が大通りに差し掛かる手前で止まる。
再びステファンのエスコートで、フランソワーズは馬車から降りた。
ここがフェーブル王国で一番大きな街だそうだ。