こうして一カ月経っても、踏みきれない理由はわかっていた。
ただ『王太子の婚約者』という肩書きがフランソワーズを苦しめる。
ステファンとセドリックが違うことは理解していた。
しかしまだうまく気持ちの切り替えはできていないのかもしれない。
ステファンを待たせている心苦しさもある。
それを考えないようにするためにフランソワーズはひたすら聖女の仕事に励んでいたのかもしれない。
「すまない、フランソワーズ。君を困らせたくはないんだ」
「……!」
「焦りすぎてしまったかな」
ステファンはそう言って、いつものように笑みを浮かべた。
「だけどフランソワーズへの気持ちは本物だ。それにプレゼントだってそうだよ。君の喜んでいる顔が見たくて……つい」
「……!」
「僕の気持ちを受け取ってほしい。これからもプレゼントさせてくれないか?」
ステファンの申し出を断る理由もなく、フランソワーズは頷いた。
このまま黙って受け取るだけでは不誠実な気がしたフランソワーズは、まだ自分がステファンの婚約者に抵抗感があることを話していく。
「まだフランソワーズには時間が必要なことはわかっているよ。だけど君がまたどこかに行ってしまいそうで怖いんだ」
「ステファン殿下……」
ただ『王太子の婚約者』という肩書きがフランソワーズを苦しめる。
ステファンとセドリックが違うことは理解していた。
しかしまだうまく気持ちの切り替えはできていないのかもしれない。
ステファンを待たせている心苦しさもある。
それを考えないようにするためにフランソワーズはひたすら聖女の仕事に励んでいたのかもしれない。
「すまない、フランソワーズ。君を困らせたくはないんだ」
「……!」
「焦りすぎてしまったかな」
ステファンはそう言って、いつものように笑みを浮かべた。
「だけどフランソワーズへの気持ちは本物だ。それにプレゼントだってそうだよ。君の喜んでいる顔が見たくて……つい」
「……!」
「僕の気持ちを受け取ってほしい。これからもプレゼントさせてくれないか?」
ステファンの申し出を断る理由もなく、フランソワーズは頷いた。
このまま黙って受け取るだけでは不誠実な気がしたフランソワーズは、まだ自分がステファンの婚約者に抵抗感があることを話していく。
「まだフランソワーズには時間が必要なことはわかっているよ。だけど君がまたどこかに行ってしまいそうで怖いんだ」
「ステファン殿下……」