「おい、中に人がいるぞ。声に反応してる、生きてるぞ!」

誰かが私に向かって叫んだのが聞こえた。

潮の香りがする。

あれ、私はどうなったんだろう。

ゆっくりと目を開いた。

目の前に広がるのはオレンジ色の世界。

テント? なに?

きしむように痛みが走る体をなんとか動かして起き上がる。

陽の光が差す方向を見ると、青い海と船が見えた。

そこで私の意識は途切れた。