「さあ、ふたたびプレイヤー有月に5の分量の毒が注入されます。これで合計は13!」

また首輪から毒が注入される気持ち悪い感触が伝わってくる。

私は目をつぶってその悪寒を我慢する。

「あらあら、今度は大げさに苦しまないの?」

ルルリちゃんがあざけるように聞いてくる。

「さあ、どうでしょう。我慢しているだけかも」

次に来たシュウくんのターンはまたトランプの数字をマッチさせることはできなかった。

普通はそれが当たり前だ。

神経衰弱でトランプの数字をいきなりマッチさせるなんてことの方が現実とは思えない。

次の3回目のネコのカード選択、またネコが今度は真ん中あたりのカードを選び、スペードの6が出る。

再び、ルルリちゃんの近くのカードをネコが選ぶ。

そのカードをルルリちゃんがめくるとダイヤの6だった。

「な、な、な、なんと3連続マーッチ、我々はまさしく夢を見ているのか!」

興奮する司会と反対にシュウくんは口に手を当てて目を見開いている。

(あおい)、今のターンで色々わかったことがある」

「えっ、ほんとうに」

さすがシュウくんだ。私は今のルルリちゃんのターンもただ彼女が数字をマッチさせたとしか思えなかった。

「さっきネコが選んだのはスペードの6だった。どんなカードでも選べるんだったらこちらに毒を注入できる赤のカードを選ぶはずなんだ」

それはそうだ。毒をたくさん相手に注入できる赤で大きい数字のカードを優先して選ぶはずだ。