「お金をもってると周りに思われたら、デスゲームで狙われるからな」

「ああ、なるほど、そうかも」

今日のデスゲーム、『シークレット・キューブ・シックス』はマイナス500万まで相手からお金を奪えた。

でも、ゲームのルールによってはお金をもっている相手からしかお金を奪えない場合もあるはずだ。

そういうデスゲームの際、周りの生徒にお金をもっていることを知られていては標的にされてしまう。

「ねえ、シュウくんはいったいいくらもってるの?」

「おいおい、自分がいくらもってるかなんて一番隠さないといけない情報だろ」

「うっ」

それもそうだ。私は最初真桑に120万もってると知られてしまったから100万円のテレビを買われてしまったんだ。

「でも、もうひとつ教えてよ」

「なんだよ」

「ひとり500万で挑戦できるコンビ戦はどういうデメリットがあるの?」

半分のお金で挑戦できるということはこの学園の特性から考えて絶対に何か悪い面があるはずだ。

「そんなの分かりきってるじゃないか」

シュウくんは私に向かって不敵な笑みを浮かべる。

「コンビの間でも裏切られることがあるかもしれないし、当然そういうルールのデスゲームになる可能性が高いんだよ」

シュウくんにそう指摘されて私がここに落とされた時の恵理の顔が思い浮かぶ。

シュウくんのことを私は何も知らないに等しい。

親友だと思っていた恵理ですら私はその心の内が見抜けなかった。