「自分のキューブの数字を覗き込んだり、見えるように倒す行為、相手や審判への暴力行為、5分を超える遅延行為は即失格となり、その際の賭け金を相手に渡す」

まあ、それは当たり前のルールだ。

「選んだキューブ以外を後から手に取ったり、すり替えようとしたと判断した場合も失格だ」

審判はお互いの数字を確認できるわけだから、すり替えなんてしたらすぐにばれてしまうじゃないと思う。

キューブをクローズした場合なら、まあすり替えもないとは言えないかもしれない。

けれど、その場合はこのキューブの数字が何かを倒した状態でわかっていないと意味がない。

キューブに印なんてつけたら不正の動かない証拠になってしまう。

指紋なんかの目立たない印はこの薄暗い遊戯室ではとてもじゃないけれど目で確認はできない。

「周りの生徒は言葉や身振り手振りで数字を伝えたと審判である私が判断したときは500万のペナルティを課す」

これもあたりまえだけど、審判側が不正を判断するということは疑われるような行動は何もできないことになる。

「他に質問がなければ、キューブをすべてテーブルの穴に入れろ」

審判に指摘されてテーブルを見るとお互いのテーブルが四角く開く。

この穴に入れろということだろう。

6つのキューブを開いた穴に入れると穴が閉まり、ごとごとと機械音がしばらく聞こえる。

再びテーブルの穴が開くと6つのキューブがそろってせりあがってきた。