「生徒ナンバーC022、有月蒼の暴力行為を確認しました。3秒後に電撃が放たれます」

「ほら、離れろよ」

真桑くんが面倒くさそうに私の胸を手のひらで押して突き飛ばす。

次の瞬間、身につけている首輪から焼かれるような痛みと衝撃が体中を走っていく。

「ぎぃええああああ!」

とてつもない苦痛に自分でも生まれて初めて聞くような絶叫を発して、私は床に倒れた。

電撃のショックで手足を動かすどころか呼吸もままならない。

「やったあ、司くん、みんなの念願のテレビゲットだね。演技とはいえ、この女に優しくするの見ててつらかったよ」

床に倒れているので声でしか判断できないが、真桑の取り巻きらしき女が駆け寄ってきた。

「ああ、芸能人だって言うから、慎重にやっただけさ。じゃあ美織(みおり)いっしょにテレビを運んでくれるかな」

「オッケー、これでまたみんなの司くんへの信望があがるね。ところでこいつどうする?」

美織(みおり)と呼ばれた女の子は倒れた私ポニーテールを引っ張って頭を踏んでくる。

「おい、やめとけよ」

「ううん、暴力じゃないよ。たまたまこいつの頭がここにあっただけだよ」

怒りで気が狂いそうだったけど、手足はまだ動かないし、ふたりに殴り掛かればまた電撃のペナルティが降りかかる。

私はまた騙されたんだ。

恵理と真桑、2度の屈辱に私の心はもう限界だった。

……もう、どうでもいいよ。私はもう起き上がれないし、終わったのよ。