「でもすごいよ、こんなに高額の投げ銭。負けはしたけど有月さんのデスゲームは見ごたえがあったんだと思うよ」

私の場合は活躍というよりは恵理に裏切られた滑稽な負けっぷりとその後の悪あがきが視聴者に受けたような気がする。

「で、でもこんなに高額のお金、取られたら怖い」

「ああ、それなら大丈夫。この学園で生徒の持ち物を奪おうとしたり、暴力をふるおうとしたらペナルティがあるから」

「ペナルティ?」

「僕たちにつけられている首輪から強烈な電撃が放たれるから気を付けてね」

説明されて確認すると、前のデスゲームのときにつけられていた首輪とは少し形状が違う。

ここまで聞いて、私はデスゲーム学園の概要がそれなりに理解できた。

けれども、私はクラスのみんなに出会った時から抱いていた疑問を思い切って聞いてみた。

「あの、どうしてこんなに良くしてくれるんですか。クラスのみんなも優しそうだったし」

私の質問を聞いた真桑くんは不思議そうな表情を見せるが、私の不安をかき消すような微笑みを浮かべる。

「それはね、僕を含めてみんなデスゲームでひどい目に遭ったわけだから。せめてここでは助け合いたいでしょ」

真桑くんの優しい言葉に驚いて沈黙してしまった私に真桑くんは決定的な言葉を告げる。

「お互いにいつデスゲームで死んじゃうかもしれない身だからね」

そう言って真桑くんは悲しげな表情を見せる。

「そうですね。私もクラスのみんなと助け合いたいです」

私もなんだかうれしくて笑みがこぼれる。

どのクラスもそう考えているわけではないだろうけど、少なくともこのクラスではリーダー格の真桑くんがそんな風にクラスをまとめているのだろう。