「おばあちゃん」
「あ……、ごめん。苦しかったか?」
おばあちゃんが体を離そうとする。
だけど私はそんなおばあちゃんを、抱きしめ返した。
「こんなことになって、本当にごめんなさい」
心からの謝罪だった。
私が死ぬことで。
私の家族は。
きっと私が想像するより、ずっと。
苦しくて、つらい日々を送ることになる。
それから一週間と少し経った。
その日。
私は目覚めてすぐに、ふいに思った。
(琳音を探してあげたい)
どうしているんだろう?
“くれない様”に捕まって。
どこで何をしているんだろう?
つらい思いをしていないかな?
お腹を空かせていないかな?
ベッドの中で。
スマートフォンを操作する。
琳音と撮った写真の画像を見る。
「ケンカしたままなんて、やだよ」