「そうだ」
と、他の大人も声をあげる。
「村のみんなで協力しよう」
「“くれない様”から逃げる方法だって、何かあるかもしれない!」
「琳音ちゃんのことだって探そう!」
「そうだ! 諦めるには早い!」
みんなの声を聞いて、おばあちゃんは泣き崩れてしまった。
お母さんがおばあちゃんを支える。
(普段から厳しい人だけれど)
と、私はどこか冷静な頭で思った。
(おばあちゃんはそれでも、優しさを併せ持った人だな)
「た、助けてーーーっ!!」
自治会館の前で、誰かが叫んでいる。
「どうしたんだ!?」
と、村井のおじさんが窓を開けて様子をうかがう。
そして、「あわわわっ」と、声にならない声で叫んだ。
琳音のおじいちゃんが慌てて窓のそばに行く。
「た、大変だ……っ」
大人達が窓に近づく。
「現象が起きている!!」