しんっとした大広間で。

村井のおじさんが、
「何も、穂希ちゃんの前でそんなことを言わなくても」
と、呟いた。



「そうよ……、母さんひどいよ」



お母さんもおばあちゃんに抗議する。

だけど、弱々しい声だった。



おばあちゃんは目からいっぱいの涙をこぼして、
「助けたいのは、私だって同じだよ」
と、私を見た。



(おばあちゃん……)



「穂希、あんたには呪いがかかっている。おばあちゃん達には、“くれない様”から逃れる(すべ)がわからないんだ」

「……うん」



なぜか素直に頷いた。

大広間にいる全員が、涙を浮かべている。



(私、死ぬんだなぁ)



「穂希ちゃんのためにも、みんなで協力しないか?」
と、村井のおじさんが言う。



「協力って?」
と、琳音のお母さん。



「一日でも穂希ちゃんが生きられるように、何か手はないかを考えるんだよ」