琳音が失踪してから。

一ヶ月が経とうとしていた。



琳音の家族である須浜一家の強い要望で、村の集会が開かれることとなった。

そこへ必ず私も出席するようにと言われている。



その日の朝。

朝食の席で。

お母さんが不満いっぱいの顔で言う。



「どういうこと? 穂希が行ったところで責められるだけじゃない!」

「それが目的なんだろうよ」



おばあちゃんの返事に、お母さんは眉間にシワを寄せている。



「行かせることないと思う! 穂希は被害者なのに!」

「そう思っているのは、ウチの人間だけだよ」

「どういうこと?」



おばあちゃんは箸を置いて、お母さんのほうを向いた。



「いいかい? 穂希が説明していただろう? 目覚めさせたのは琳音ちゃん。呪いをかけられたのは穂希だって」

「そうだよ、その通りなんでしょう? 穂希」



お母さんの確認するような質問に、私は頷く。